展示で見る生命の歴史【学芸員自然と歴史のたより】

地球は約46億年前に誕生しました。ここでは地球が誕生してから今までに起こった出来事や,太古に生息していた生き物について,おもに当館1階の展示「生命の歴史」に沿ってご紹介します。

 

1階「生命の歴史」

 

先カンブリア時代:生命の誕生

46億年~5億4,100万年前

最初の生命は地球誕生から数億年のうちに出現しました。約27億年前に光合成を行うシアノバクテリアがあらわれ,酸素をつくり始めました。海中の鉄イオンは酸素によって酸化されて沈殿し,縞状鉄鉱層をつくりました。

 

縞状鉄鉱層 オーストラリア,ハマスレー

 

 

古生代:さまざまな生物の出現

5億4100万年~2億5,190万年前

フズリナや直角貝,腕足類,三葉虫,ハチノスサンゴ,ウミユリ,魚類などの海の動物が栄え,デボン紀には陸上で生活する両生類もあらわれました。陸上ではリンボクなどのシダ植物が繁栄しました。古生代の終わりには史上最大規模の大量絶滅が起こり,三葉虫やフズリナなど多くの海洋生物が姿を消しました。また,古生代ペルム紀(2億9,890万年~2億5,190万年前)にはすべての大陸が集まって超大陸パンゲアができました。

 

パラドキシデス(三葉虫) モロッコ 古生代カンブリア紀

 

レピドデンドロン(リンボク) アメリカ合衆国アイオワ州 古生代石炭紀

 

 

中生代:恐竜とアンモナイトの繁栄

2億5,190万年~6,600万年前

中生代三畳紀(2億5,190万年~2億130万年前)も超大陸パンゲアが存在していました。さまざまなは虫類が栄えた時代で,三畳紀後期には最初の恐竜が出現しました。海では二枚貝のモノチスやアンモナイト,魚竜が栄えました。

中生代ジュラ紀(2億130万年~ 1億4,500万年前)になると超大陸パンゲアは分裂をはじめ,ローラシアとゴンドワナに分かれました。恐竜が大型化して大繁栄し,始祖鳥が出現しました。海ではアンモナイトが引き続き栄えました。

中生代白亜紀(1億4,500万年前~6,600万年前)は大陸の分裂が進み,温暖な気候が続きました。陸上では恐竜や鳥類,海ではアンモナイトやイノセラムス,三角貝,首長竜などが栄えました。白亜紀の終わりには恐竜やアンモナイトなどが絶滅しました。隕石の衝突が原因と考えられています。

 

 

ユーブロンテス(肉食恐竜の足跡) アメリカ合衆国ユタ州セントジョージ 中生代ジュラ紀

ウタツサウルス(魚竜) 宮城県南三陸町 中生代ジュラ紀

 

アーケオプテリクス(始祖鳥) ドイツ,ゾルンホーフェン 中生代ジュラ紀

 

ユーパキディスクス(アンモナイト) 北海道中川郡中川町 中生代白亜紀

 

 

新生代:ほ乳類と被子植物の時代

6,600万年前~現在

新生代にはほ乳類や鳥類,被子植物が栄えるようになりました。

古第三紀(6,600万年~2,303万年前)の地層からは大型の有孔虫であるカヘイ石がよく見つかります。インドは超大陸パンゲアから離れた独立した大陸でしたが,このころにユーラシア大陸に衝突をはじめました。

新第三紀(2,303万年~258万年前)の海では巻貝のビカリヤ,大型のサメであるムカシオオホホジロザメ,脊椎動物のデスモスチルスなどが栄えました。中新世に日本海が誕生し,日本列島はユーラシア大陸から離れました。三浦半島の地層の大部分ができたのはこのころです。

第四紀(258万年前~現在)は氷河時代と呼ばれ,繰り返し氷期が訪れました。氷期には海面が下がって大陸と陸続きとなり,ゾウやサイのなかまなどの動物が大陸からわたってきました。三浦半島でもナウマンゾウやヤベオオツノジカが生息していました。

 

ビカリヤ(巻貝) 岐阜県瑞浪市 新生代新第三紀中新世

 

ムカシオオホホジロザメの歯 アメリカ合衆国サウスカロライナ州 新生代新第三紀中新世

 

ナウマンゾウ 千葉県印西市 新生代第四紀更新世

 

「生命の歴史」の展示にはもっと詳しい解説があり,多くの化石資料が展示されています。是非ご来館ください。(地球科学担当:柴田)

 

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