学芸員自然と歴史のたより「博物館とカブトムシを調べませんか」

 カブトムシは一般的にもよく知られた、こどもたちが好きな虫として挙げることの多い昆虫です。冬は土の中で幼虫時代を過ごし、初夏には蛹(さなぎ)に、そして早いものでは梅雨明けとともに羽化する代表的な夏の昆虫で、成虫だけでなく、幼虫から成虫までを通して飼育された経験をもつ方も少なくありません。

 博物館では「そだててしらべる!カブトムシ」という教室で、5月に参加者へ幼虫を配布し、7月に羽化した成虫を持ち寄り、飼育を経験したり幼虫と成虫のかたちの違いを観察したりする機会をつくっています(今年度の募集は終了しました)。

 ところで、カブトムシの生態について私たちが観察できるのは、樹液や明かりに集まっている成虫や、腐植土の中にいる幼虫、もしくは飼育ケースの中の様子くらいです。もしも野外で自由に暮らしているカブトムシを追いかけてみたら、どんな行動を示すのでしょうか...

 動き回るカブトムシをずっと追跡することはできていませんが、博物館では毎年カブトムシに名札(ラベル)をつけて放し(図1)、移動した先で見つけてくださった方から連絡をいただく、という方法を使ってカブトムシの移動を調べています。放した場所と見つかった場所をつなぐだけなので、細かな移動経路は分かりませんが、これまでの最長記録として、放した場所から約6 kmも離れた場所で見つかったことがあります(図2)。

図1

図2

 

 もし、翅(はね)に小さな名札をつけたカブトムシを見つけたら、そこに書かれた電話番号(博物館の電話番号:046-824-3688)あてに、名札にある個体識別番号を伝えていただき、いつどこで見つけたかという情報も添えてください。みなさんの発見が、まだだれも明らかにしていないカブトムシの生態を明らかにするデータになるのです!

 博物館では、前述のカブトムシ移動調査の周知のため、7月9日(土)から8月28日(日)まで、自然館1階トピックス展示コーナーでトピックス展示「博物館とカブトムシをしらべよう!」を公開し、調査結果のパネル(図1,2ほか)や世界のカブトムシ類やクワガタムシ類・コガネムシ類を展示します(図3)。この夏はぜひ、博物館とカブトムシを調べませんか。(昆虫・陸上無脊椎動物担当 内舩)

 

図3

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