学芸員自然と歴史のたより「三浦一族と横須賀製鉄所」

鎌倉時代から活躍した三浦一族と、150年前に起工された横須賀製鉄所(造船所)との思わぬ関係を紹介しましょう。
禅宗の高僧で夢窓疎石という方が、14世紀前半、横須賀に泊船庵(はくせんあん)というお寺を構えました。この地でお世話をしたのが、鎌倉将軍に仕えた有力な御家人三浦貞連(みうら・さだつら)だったのです。泊船庵は、夢窓疎石が残した漢詩や和歌と古地図をもとにすると、現在の在日米海軍横須賀基地内の現1号ドック先端から山裾にかけての場所でした。
明治初年の写真で見ると、いまだ庵室背後に丘(臥龍山)の一部が残っていたことがわかります。それがちょうど現2号ドックのあたりになります。この丘の上(地名・むそうがさき)に、華厳塔を建て、往来する船人たちに仏心を起こさせることを考えたのです。反対にいえば、この横須賀の入江は多数の船や人が往来する港だったのです。
そして、150年前から近代的な港として新たな歩みを続けているのが、横須賀市中心部なのです。(文献史学担当:安池)

 

横須賀製鉄所全景・明治初年

 

 

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